第56回 乞食王子とロールベール
ではみなさんは、このぼんやりとしたブログがほんとうは何かご承知ですか。こんにちは、大島雅己です。
何につけても、集団で何かをなそうという時は、役割分担が必要ですね。
IT現場のシステム開発も同様です。特に何十人という規模のプロジェクトであれば役割分担、責任分岐を明確にしておくことは重要ですし、どんな本やセミナーでも主張されています。
これはこれで全く正しいと思いますが、きちんと決めてそれを実直に遂行することがベストではないこともある、という気がしております。
むしろ私は「決めた上で、そこから一歩踏み込む」というやり方をいつも考えています。自分の役割を全うするのは当然として、そこからちょっと外に踏み出してもいいのではないでしょうか? ということなのです。時には他の人のエリアにすっぽりお邪魔してみたり、自分のエリアに招待してみたり。
つまり、ギチギチの縦割りサイト型構造にするのではなく、オープンな異業種交流的な雰囲気の方がやりやすいと思うのです。
サブシステムの違う担当者同士でお互いの悩みを聞いてみる。営業部門と開発部門がビジネスの方向性に関してブレストしてみる。企画部門の責任者がプログラム現場のコーダー陣と懇親会をする。
私の経験上、そういう動きが活発なプロジェクトの方が格段にいい成果を出しますし、実際、世間の優秀なITベンチャーは実践しているでしょう。
バンド漫画の嚆矢、佐藤宏之氏の「気分はグルービー」では、ベース奏者のリーダーがドラマーの奏法に関して対立するのですが、その後密かに自分でもその奏法をマスターしようと特訓するのです。文句を言う前に一度相手の立場に立ってみようとするこの姿勢に感動を覚えたことを思い出しました。
<今日の本歌>
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」