第382回 FTAと二極真空管
まるで誰かにブログの中に手を突っ込まれて、小腸をつかんで引っぱり出されて、それを首に巻きつけられているみたいな感じだ。こんにちは、大島雅己です。
ダブル・スタンダードはよくないですね。一つの事柄に二種類の指針が適用されて不公平につながる。二重規範というやつですね。二枚舌とか依怙贔屓がその例です。一体どっちが本当のルールなんだよ、ということになってしまう。
ダブルではなく、デュアル・スタンダードについてはあまり世間で語られていないように思えます。松岡正剛氏がよく言われていますが、これは二つのものがどちらも意味を持って同じように重要な要素になるケースで、古来から日本が得意としてきたものです。真名と仮名、漢と和、神と仏、公家と武家、公と私、チグとハグ、アベとコベ、東奔西走、南船北馬、などなど、どちらにも同等に意味があり両立する状態です。
IT現場でもそうなのですが、どちらかに決めなければいけないという固定観念を離れて、どちらもアリなんだという視点だってあるということです。岐路に迷った時にちょっと考えてみるといいかもしれません。
とくに日本の芸能や文化は一対の概念が重要ですね。ワビとサビ、義理と人情、イキとスイ、表千家と裏千家、北山と東山、江戸と上方、四季醸造と寒造り……。こういうものは、どちらも同じように大事にしなければ。
<今日の本歌>
マーサ・カウフマン『フレンズ』