第64回 没個性とドミナントモーション

ブログはブログ、たかだかブログですが、ブログという名のこの人生。こんにちは、大島雅己です。

ITの現場では、汎用性とか応用とか横展開などという言葉に人気が集まりがちです。
データとか、プログラムとか、データとか、それにまつわるいろいろな仕組みなども含めて、できるだけ広い範囲で共有できるほうがいいというわけです。一つのものをみんなで共同利用できればコストも安く済むでしょうし、お互いに共通言語で会話できて業務の効率もよくなると思われます。

そのかわり、どこにでも使えるということは、関係者全員の最小公倍数的なものになりますので、ちょっと凝ったことをしたい場合やイレギュラーな使い方をしたい場合に、融通がきかない、ということがあるでしょう。一部の人が別の使い方をしたくなっても、他の全員がそれを望んでいないのであれば、取り入れるわけにはいかないでしょう。
そして、得てしてビジネスの中においては、個別の希望が発生しやすいもので、やがて声の大きい人の希望を取り入れざるを得なくなったりします。そうやって最初の汎用性は失われ、個別機能として独立していくのです。

どちらがいいかは事情によりますが、できればシステムを作ろうという時に、汎用性をどこにどう持たせるのがよいか、よく考えることをお勧めします。

音楽の世界では、ドミソとかシレソなどの和音が組み合わさって進行を作り、それが一つの曲になりますが、よく使われるお決まりパターンや、必ずいい曲になる進行パターンなどがいくつか存在します。ブルース進行、カノン進行とか、循環進行などなど。汎用性のあるパターンということです。こういうものを使えば簡単に作曲ができてしまいますが、そのまま使うだけでは個性が出ませんから、新鮮さはありません。一部流用しながらもオリジナルな部分を加えなければ面白くないでしょう(結構、そのまま使っているだけの作品もあるようですが)。

<今日の本歌>
ザ・ナンバーワン・バンド「六本木のベンちゃん」

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