第687回 モラーヌ・ソルニエLと双六問屋

阿波座烏は浪華潟、藪鶯は京育ち、吉原雀を羽がいにつけ、江戸で男と立てられた、男の中の男一疋、何時でも尋ねてごぜえやせ。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。

中学高校時代に魂を捧げて聴いた音楽はきつと生涯感動を伴つたまま残り続けるのだらうと思ひます。私にとつてその代表はRCサクセションですが、自分のバンドでも何度もカバーしてゐるのにいまだに発見があります。

先日は『ドカドカうるさいR&Rバンド』といふ名曲で気づきがありました。この曲を歌ふと殊の外気分が高揚するのはなぜなのか。思ふにそれは「濁点の使ひ方」が尋常ならざる絶妙加減をもつてゐることによるのではないか。歌詞を噛みしめてゆくとわかるのですが、濁点のある言葉がまさにここぞといふ場所に嵌まつてをり、それがメロディーと完全に呼応してゐるのです。きつと巧妙に計算されてゐるのだと思ひます。つまり言葉とメロディーの両方を魔術のやうに扱へなければこんな曲は作れないのです。

ビジネス現場には営業、企画、制作、技術、経理、総務など多様な側面がありますが、たいてい一人の社員は一つの面しか同時に扱へません。しかしトリックスターとなつてイノベーションを起こすなら、あらゆる分野に精通してゐることが理想なのかもしれません。

<今日の本歌>
歌舞伎『御存知鈴ヶ森』

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