第677回 八仙とシュミットトリガ

かく験なるブロガだも祈り得ず、執ねく我を纏ふものから、天土のあひだにあらんかぎりは探し得られなん。こんにちは、スパイラル研究所の大島雅己です。

さて何につけ一応は絶望的観測、ではなく、システム的観測をしてみむとてするなり。例へば落語はどうか。

システムにはフィードバックといふものがある。システムから出力されたものがまたシステムの中に作用する仕組みだ。落語を演ずる立場で考へると、発した言葉が確実に次のセリフに影響する。

時にそれは演者の思惑を超えて想定外の言動を生む。売り言葉に買ひ言葉を交はすやうに登場人物が勝手放題に暴れ出し噺が自動的に発展してゆく境地を見ることがある。

立川談志師匠の落語はその域に達してゐた。鉄拐仙人が演者を無視して暴走を始めるのだと言ふ。完全なるポジティブ・フィードバックで、本来で言へば出力の解が拡散して非安定平衡となる。これを収束させるために最後にサゲを入れて噺を終わらせるといふわけだ。

さて自分の周辺にある情報システムを見た時、そこにどんなフィードバックがあるか。システムを拡散させるものか、制御するものか、どちらでせうか?

<今日の本歌>
上田秋成『雨月物語』

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