第590回 心裡留保とカルテジアン劇場

別れる前にお金をちょうだい あなたの生活にひびかない程度のお金でいいわ そのお金でブログを立ち上げるのよ。こんにちは、大島雅己です。

餅は餅屋にしか任せてはいけないのか。海のことは漁師が一番よく知っているのか。蛇の道は蛇にしかわからないのか。確かにその道の門外漢が変に知ったかぶりをしている姿はたいへんに見苦しいものです。素人が専門家風に何かを評論しているのは噴飯ものです。すぐれた文学評論ができるのはすぐれた文学者でありましょうし、すぐれた音楽評ができるのはすぐれた音楽家なのだと思います。

とはいえ、一つの分野をその住人だけにクローズした世界にしてしまうのはよくないとも思います。岡目八目ともいいますし、第三者の方が却って新鮮な目でものを見ることができるかもしれない。裁判員制度が導入されたのもざっくり言えばプロとアマチュアが協業することでより公平でわかりやすい裁判を目指したからでしょう。

IT現場でも関係者はすべからくITに精通しているべきかといえばそんなことはありません。広く公平にサービスを提供するのであれば、むしろITに詳しくない人の気持ちもわからなければいけませんから、さまざまな立場の人が携わる方がよいと思います。組織の偉い人がパソコンも使えないのにITやセキュリティを語るのはおかしいでしょうか。問題はスキルや経験ではなく考え方だと思うのです。

<今日の本歌>
美川憲一『お金をちょうだい』

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