第560回 百學連環とマンハッタン計画

窓に西陽が当たるブログはいつもあなたの匂いがする。ひとりで読めば想い出すからPCの跡も残したまま置いていく。こんにちは、大島雅己です。

楽器の練習に取り組んでいると、ついつい技巧の追求だけが最終目的であるかのような心持になってしまいがちです。特にピアノなんかで小難しいフレーズを何度も何度も何度も繰り返して、己の下手さ加減に泣きたいのを通り越してゲラゲラ笑いながらも、ついになんとか形になる程度まで弾けるようになった時、やっとゴールに辿り着いたといって達成感に浸ってしまうのです。

譜面に書いてあることをようやく再現できた。そんなことが目的であるはずがないのです。むしろそこから本当のスタートで、その音楽を自分が誰に向かってどう表現して何を訴えたいのか、それが本当にやりたいことであるべきです。

ところがどうしても普段の練習では「この曲をこの日までに弾けるようになること」などと目標に掲げて、そこをターゲットにしてしまう。これでは本当の音楽の愉しみは得られません。

IT現場でもまことにありがちなことで、プロジェクトのQCD目標を達成することが最終ミッションだと勘違いしてしまう人が多いのです。たとえばサイト構築のプロジェクトは、サイトができあがるまでの一次的なもので、本当にやりたいことはその先にあるはずなのです。プロジェクト自体はそのための方策の一つにすぎないもの。

<今日の本歌>
テレサ・テン『つぐない』

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