第516回 テンソル場と当てミツ業者

まだブロガーになりきれなかった私が父に言われて、ずっと心の中で思い返していることがある。ブログのことをあれこれ言いたくなったら、ちょっと考えてみるがいい。この世の中、みんながみんな恵まれてるわけじゃなかろう。こんにちは、大島雅己です。

人前で落語を演じた時、与えられた時間は15分でした。お手本にした噺が9分程度のバージョンだったので、最初に前ふりのような世間話を入れました(マクラというやつです)。世間話なので、特にきっちり内容を決めていたわけではないのですが、本番の舞台では喋りながら「そろそろ6分ぐらいだろう」という勘が働き、結局本編含めてぴったり15分に収まったのです。

稽古をしている中で、どれぐらい喋るとどれぐらい時間が経つのか、自然に見積もれるようになっていたのだと思われます。スピーチ等でもそうですが、こんな感じの話をしようと考えた時に、どれぐらい時間が必要なのかを想定して、その通りに決着するスキルは大事ですね。

IT現場でも、コストと時間の見積りは欠かせません。たいてい上層部が聞いてくるのは「いくらかかるの?」「いつできるの?」ですからね。この時に、いかに説得力を持った現実味のある回答ができるかもさることながら、もっと重要なことは、前提条件とブレの可能性も含めて納得させることです。こういう前提なのでこの金額だが、もしこうなった場合はこうなる可能性があります、と。数字だけが独り歩きしてあとで結果がずれた時に責められたくありませんからね。

<今日の本歌>
スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャッツビー』小川高義訳

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