第370回 オートマトンと形而上学クラブ

5~6年前までブロガーの○金と○ビは一目で見分けがつきましたが、最近では○ビの人も外観や遊びに気をつかうのでなかなか見分けがつきにくかったりします。こんにちは、大島雅己です。

あるAというスキルをどれだけ自分のものにしているか、それを測る基準を考えてみます。

まずAという存在そのものを知らない状態(状態ゼロと呼ぶ)からスタートします。ある時、Aの存在を何かで目にしたり耳にします。中身について入り込むのでなく、そういうものがあるという認識をしただけです(状態1)。聞いたことがあるというレベルであってほとんど何も知らないに等しいわけですが、状態ゼロと比べたら格段の進歩がありますね。

次に、実際に中身を意識して本を読んだり話を聞いたりする段階に進みます(状態2)。こうなると中身を知ろうという能動性が働いており、ぐっと深いところまで進んだ状態になりますね。

自分の体験をもっていえば、たいがいの場合この時点で満足してとまってしまうのです。これでだいたいAを極めた気になっているのです。しかし実際はまだ入口段階であり、これだけでは血肉化しないのです。それは、インプットしているだけでアウトプットしていないからです。つまり、ここから先に進むには、自分の手や体を使って実践しなければいけない(状態3)。例えば本で読んだナレッジを実際にやってみる。セミナーで学んだ教訓を行動に移してみる。この2と3の間に大きなハードルがあるのです。

そして、本当に血肉化したいのなら、ここでとまってはいけない。学びを外部に向かって表現するところまで行くべきでしょう。人前で披露したり、教える側にたってレクチャーできる状態です(状態4)。このハードルも相当に高いものですが、そこまで行かなければ自己満足の世界から出ることはできないと思います。

楽器などの習い事は、実際に体を使って稽古するので状態3まではたいてい進むのですが、ほとんどの場合はそこから状態4に進まずに終わってしまいます。もったいないことです。

<今日の本歌>
渡辺和博とタラコプロダクション『金魂巻』

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