第20回 円朝と新入社員

みなさん、ぱらいそに行きましょう! こんにちは、大島雅己です。

落語というのはつくづく面白いもので、とくに古典落語の場合、たいていの場合観客は噺の内容を既に知っているのに同じものを何度でも楽しむのです。
ただし、誰が演じるのか、がファンの興味を大きく左右しますね。この噺を聴くならこの落語家がいい、というのが定説のように決まっているンです。談志の芝浜、柳好の野ざらし、圓生の百川、のように、演じ手ごとに十八番があって、もうその人のじゃないとダメ、ってのがあるのですね。

これが小説とかマンガなどの文芸方面になりますと、なかなかそんな感じにはなりませんね。同じ作家が同じ作品を何度も出版するということはあまりないですし。
音楽の分野でも、ポップス系だとやはり主流はオリジナル作品ですし、最初に作ったオリジネータを尊重する文化になってますから、落語のようなパターンにはなりにくいですね。
クラシック音楽であれば「カラヤンのあのベートーベンは名演だ」「小澤征爾のこのストラヴィンスキーは名盤だ」という感じで、ちょっとは似ているかもしれませんが。

さてITの現場ではどうか、というと、これは全く当てはまりません。「かつてこのシステムはあの名人ホニャララ氏が作った」「これをどこの若者がどう追従するか」「さすが○○氏の××システムはいつもながら堪りませんなあ」などという話になることは、まずないでしょう。人による差異があってはいけない世界ですので…。

<今日の本歌>
諸星大二郎「妖怪ハンター」

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